Echo / Room Echo

AOKI,hayato


Echo[ ♪ ]



Room Echo[ ♪ ]

 

Ph: Shoji Onuma


LP と CD


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Echo / Room Echo によせて

杉並の借家で暮らしていた。大家さんの敷地の中にあり、玄関先には大きな棕櫚の木が二本あった。棕櫚の葉は風が吹くとサワサワと音がして、とくに夏場は心地よかった。
家賃は大家さんに直接渡すことになっていて、よほど夜遅くでなければ、居間に通されてお茶をいただくのが月に一度のならわしだった。
大家さんの家には、ピアノがあった。ヤマハのアップライトピアノ。娘さんがむかし弾いていたものだという。
移動と調律の費用をこちらで負担することを条件に、借家で弾いてよいということになり、ピアノはまた息を吹き返した。
ピアノは居間として使っていた四畳半の部屋に置かれ、食事をするテーブルのすぐ横にあるような状態だったが、その分親しみもわき、気負わず弾くことができた。
その頃、展覧会の会場音楽を頼まれる機会があり、さっそくピアノを弾いて録音した。それが「Echo」になった。
それから何年か経って、別の展覧会の音楽を頼まれた。その時は、カセットレコーダーとギター、そしてピアノをつかって録音をした。それが「Room Echo」になった。
どちらも、あの部屋の響きが音に含まれている。

時が流れ、借家から転居することになり、ピアノも元の場所に帰っていった。そして、わたしが出た後に借家は取り壊されることになった。いまは駐車場になっている。

レコードは、CDよりも「時間」を感じることができる。その「時間」を聴いていただく意味も込めて、A面1曲、B面1曲のレコードを作ることにした。レコードに針を落とし、音楽がはじまり、その針が終わりに来たら1曲が終わる。裏返すと、待っているのはもうひとつの曲だ。

ジャケットには、写真家の大沼ショージさんに撮影していただいた、あの部屋の写真を配した。寒い日の午前中の光が写っている。

リリースしてしまったら、音楽は作った人の手を離れる。だからどのように聴いていただいても構わないのだけど、この作品集ができあがるまでの経緯は書き留めておきたかった。

響きと時間が、さまざまな場所で「再生」されますように。

青木隼人


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